高校生にとって古文は苦手だと感じる人も多いでしょう。学校のテストであれば内容を覚えておけばどうにかなることもありますが、受験となると話は異なります。どう読めばいいかわからない、内容が読み取れない、点数が上がらないという人が続出します。
一見何をしていいかわからないと感じる古文の勉強ですが、これをやるべきというポイントがしっかりあります。今回は古文を勉強する際のポイントをまとめておきます。
ポイント1:文法をマスターする!(知識)
まずは古文の文法をしっかりマスターすることです。現代文であれば文法を理解できていなくても読むことができるかもしれません。ただ、古文では文法を理解しておかないと読み間違えることがあります。また、入試でも文法事項は単体で設問として問われることも多いです。そのため、文法事項は優先的に取り組む必要があります。
文法が覚えられない人はこちらも参考にどうぞ。
文法事項を勉強する際には集中的に取り組んだ方が効果的です。古文の文法は難しいと感じる人もいるかもしれないですが、内容はそこまで多いわけではありません。英語の文法よりは少ないレベルだと思います。2〜3週間もあれば全体の内容を把握することができます。もちろん実践的に問題の中で確認することも大事ですが、まだ文法問題が解けないという人は早めに文法の問題集を1冊こなしておくようにしておきましょう。
ポイント2:単語を覚えよう!(知識)
文法と並んで必要な知識が単語です。古文は我々が使う日本語とほとんど同じものもありますが、異なる点がいくつかあります。単語もそうです。我々が使っている言葉にはない単語、あるいは我々が使っているが今とは意味が異なる単語はしっかりと覚えていく必要があります。これらがわからないと文章読解も難しくなります。また、文法と同じく、重要単語は単体で設問として出題されやすくなります。やはり単語も覚えていくようにしましょう。
古文の場合、覚えなければいけない単語はそう多くありません。英語に比べるとその量は少ないです。基本的には300前後の単語を覚えておくようにしましょう。もちろん、市販の単語帳にはそれ以上多く載っている単語帳もあります。600前後の単語帳でも構いませんが、しんどい場合はまずは300前後覚えると決めて取り組んでみてください。
ちなみに英単語は覚えられるんだけど、古文単語がどうも覚えにくいという人もいます。英語と違って日本語で書かれていることで逆に丸暗記しにくいというのです。もちろん丸暗記してしまうのもダメではないですが、古文の場合は、単語は語源や漢字から覚えていく方が望ましいです。というのも語源を知れば意味がわかるものが多いですし、漢字を当てはめればそれで意味が推測できるものもあります。この辺りも単語帳には説明が書いてあるものが多いので、単語とその意味だけ丸暗記するのではなく、単語帳を読んで、語源や漢字を理解しておきましょう。
ポイント3:敬語をマスターしよう!
古文は平安時代の貴族の世界の生活を描いたものが多いです。そのため、その身分を高貴な方なのか、そうではないのか区別する表現が多数登場します。それが敬語です。そのため、現代文以上に敬語の理解が必要になります。敬語がわからないと読解が難しくなってしまうのです。敬語は尊敬語・謙譲語・丁寧語に分かれます。(さらに謙譲語を謙譲語と丁重語、丁寧語を丁寧語と美化語に分けることもあります)これらをしっかり理解することが古文読解には必要不可欠です。もちろん、敬語の問題が設問で登場することも多いです。そのため、敬語もしっかり理解しておきましょう。
敬語については文法と分けてポイントにあげていますが、大抵は文法の問題集や参考書に敬語も掲載してあります。そのため、まずは文法書をやる中で敬語の基本を理解しておきましょう。
また、敬語に関しては最初のうちは文章読解する中で出てきたものが尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれなのか、また、元々はどの言葉なのかを示せるようにしておくといいと思います。インプットしたものを実際の文章の中でしっかりとアウトプットしていく。その中で忘れていたり、よくわからないものが出てきたら再確認する。この作業を続けていくようにしましょう。
ポイント4:古文常識・背景を理解しよう!
先ほども書いたように古文は平安時代の貴族社会の様子を描いているものが多いです。その後の鎌倉時代のものもあります。何れにしても現代人である我々とは価値観も異なれば生活様式も異なり、考え方も異なります。そのため、その時代の常識を理解しておく必要があります。これを知らないと、なぜこんな行動をとるのかが理解できないです。逆に古文常識を理解しておくことで、文章を読んでいきながら、その後の展開が想像できることもあります。これらは当時の常識なので、その背景を知らないとどうしても文章を読めません。なので古文常識や時代背景はしっかり理解しておきましょう。
古文常識や時代背景についても参考書が販売されています。必要な方は手に入れておくと良いでしょう。また、古文常識については市販のものでも良いですが便覧を活用するのも手です。学校からもらっている便覧には古文常識や時代背景がしっかりと掲載されています。便覧を活用するだけで古文常識が理解できますので、是非読んでおくようにしましょう。
ポイント5:主語(登場人物)を把握しよう!(読解)
ここまでは必要な知識がほとんどでしたが、もちろん知識があるだけで古文が読めるわけではありません。文章を読んでいく際に必要なこととして、主語の把握があります。古文の場合、物語や随筆などで人物が登場してくることが多いです。そしてその人物が何を感じているのかを問うてきます。感情を理解するにはその感情表現を表す単語を知るのも大事ですが、その前の人物の行動や言動なども手掛かりになります。つまり、とある動作や言動はそれが誰が行なっているのかを把握しないといけません。これが主語の把握です。ちなみに主語だけでなく誰に向けられているのかという目的語も大事です。
ある程度単語や文法など知識はあるのに、古文がうまく読めない、あるいは読んだ文章が自分が思っていた話と異なっていることが多いという人は主語の把握ができていないことがほとんどです。そのため、文章読解では必ずやらなければいけません。
主語の把握と書きましたが、もう少し大きくいえば登場人物を把握して、いまの動作は誰が行なったのか、この会話は誰と誰が会話しているのか、これは誰が感じたことなのかを一つずつ把握するのが大事です。そのため、まずは登場人物は誰がいるのかを理解しましょう。また、この主語の把握には先ほどの敬語も大きく絡んできます。敬語によってその人の身分がわかるからです。敬意を理解することで誰が行なった動作かわかる、それで今誰が何をしているのか理解できるという形で話がつながっていきます。これまでに理解しておいた知識も活用して、主語を把握していきましょう。そうすることで場面が想定でき、文章が読解しやすくなっていきます。
ポイント6:和歌を把握しよう
最後に和歌です。古文では和歌が多く登場します。入試問題を見ても多くが和歌が登場してくる場面が使われています。そのため、和歌をしっかり理解することが文章読解にもつながります。
和歌の理解というと、掛詞や枕詞・縁語などの知識を覚えることだと思う人もいるかもしれません。もちろんそれらは重要です。ただ、和歌に使われる知識を入れるだけでなく、和歌を普通に訳せるようにしましょう。実は和歌といっても他の文とそれほど変わりはありません。ただ、句切れがあることが多く、まずは句切れを探してから訳すと思っておくと良いでしょう。和歌を過度に恐れる生徒がいますが、知識をしっかりと持っていれば、和歌も他の文も同じです。あまり怖がることなく和歌に挑んでみましょう。
また、和歌というと和歌単体で理解しないといけないと勘違いしている人もいます。古文の場合、和歌が単体で登場する問題はほとんどないです。実際には他の文があり、その中で和歌も登場するという形です。なので、和歌だけを見て解釈する機会はほとんどありません。当然ですが、文中に和歌が挿入される場合は、それまでの流れをふまえて和歌が詠まれています。逆にいえば、それまでの流れをしっかりと理解できていれば、和歌もその流れで理解できます。この辺りも和歌だけを恐れるのでなく、文章の流れを掴む意識を持って取り組んでください。
知識を身につけ、読解にチャレンジしていこう
以上が古文ができるようになるための6つのポイントです。大事なことは必要な知識をしっかりと身に付けること、そしてその知識も活用しながら、文章を読んで場面を把握して理解していくことの2つです。ある程度知識面を覚えていければ、後は実際の問題集などで練習していってみてください。
生徒を見ていると、そもそも知識面が理解できていない状態で文章が読めないと言っている人が多い印象です。また、一方で知識面だけ覚えればOKというわけでもありません。まずは7割程度まではしっかり知識を覚えていきましょう。それができてきたら、文章を読んでいきましょう。アウトプットしていく中で足りないものが出てくると思います。それを再度インプットしていき、インプットとアウトプットのサイクルを回しましょう。
苦手と感じる人が多い古文ですが、ポイントさえ抑えて勉強すれば、意外と時間もかからず解けるようになっていきます。大事なポイントを抑えて、成績UPにつなげましょう。
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