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墾田永年私財法から考える「暗記」の方法

勉強取り組み

中学生やその保護者に話を聞いていると、「暗記が苦手なんです」という声をよく聞きます。「計算はできるけど暗記系科目が苦手」という人もいますね。もちろん、高校生でも覚えようと頑張っているけど「暗記できない」という人が多いです。このように、「暗記」は頑張っているのにできないものと思っている人がたくさんいます。頭ではわかっていても実際にやるのが難しいとされる「暗記」について、今回は考えてみたいと思います。

暗記は必要、でも丸暗記は極力避ける

まず、勉強において暗記は必要です。よく「暗記は不要」という人がいますが、さすがに暗記することがゼロで勉強ができることはないでしょう。どの科目でも、最低限必要な基礎知識は覚えておかないと勉強にはなりません。

暗記は別に勉強に限った話ではありません。みなさんが将来、何かの仕事をする際にも必ず暗記は必要です。営業として商品を売るのであれば、その商品の特徴や利点を覚えておかなければいけないですし、何かものを作るのであれば、作り方を覚えていくでしょう。全て暗記しなければいけない訳ではないでしょうが、暗記なしに仕事をするのは無理があると思います。最低限必要となる基礎知識については覚えていく必要があるでしょう。

ただし、全ての事象を丸暗記する必要はありません。むしろ、すべて丸暗記というのは害悪です。暗記と丸暗記は似ているようで全く違います。丸暗記はその言葉やその事象、出来事などの意味を考えず、文字面だけを覚えている状態です。これはできるだけ避けましょう。本来なら丸暗記はゼロにすべきですが、実際には「これはどうしても覚えられないから丸暗記するしかない」事柄も出てくるでしょう。なので、丸暗記ゼロが望ましいですが、できるだけ丸暗記をしないという姿勢で勉強を進めていくのが良い勉強法になるかと思います。

・基礎知識の暗記は不可欠!
・文字面だけを覚える丸暗記は最小限に!

墾田永年私財法で考えてみよう

では丸暗記をせずに暗記するにはどうしたらいいでしょうか。今回は墾田永年私財法で考えてみたいと思います。

墾田永年私財法とは?

墾田永年私財法は、743年に聖武天皇の時代に発布された法令で、新しく開墾した土地は永久にその農民のものとするものです。

ざっくり背景を説明すると、元々土地は国から口分田として与えられ、人々はその土地で農業を進めていました。国はそこから税金をもらうわけですね。ただ、それだと新しく農地を作っていくことができません。他の策もやっていましたが、中々土地の開墾が進みません。そこで、国は墾田永年私財法を発布。新しく開墾した土地は永遠にその人のものとするわけです。人民側は新しい土地に税がかからないので、開墾がどんどん進んで行きます。結果的には土地の私的所有が増え、荘園制が生まれていくわけです。

それはさておき、この墾田永年私財法。中学生でも名前は覚えている人が多いですが、中身を理解していない生徒が続出です。文字面だけを暗記してしまうからです。ただ「コンデンエイネンシザイホウ」という言葉だけを覚えている形です。結果的に覚えたのは間違いないわけですが、中身を理解していないため、「墾田永年私財法」という単語だけは知っているという状態になってしまいます。その結果、問題で出されても問題は解けない。でも名前は知っている。だから知っていたのに解けないという状態に陥ってしまいます。

言葉の意味(漢字)を理解する!

大事なことは文字面だけ覚えるのではなく、その意味を理解することです。意味を理解するとは、その言葉がどういった内容なのかを把握した上で知っておくということです。そういうと、今度は必死に墾田永年私財法の説明文を覚えようとする人がいますが、それは丸暗記になってしまうので良くないです。ではどうしたらいいでしょうか。

そこで大事なのが漢字です。墾田永年私財法の場合、漢字を見ればほぼ内容がわかります。「墾」は開墾(かいこん)という言葉もあるように、「土地を切り開く」という意味です。よくみると下に「土」があります。部首も「つち」です。土地に関わる漢字だとわかるでしょう。墾田は「荒地を田として切り開く」という意味がわかると思います。「永年」は「永遠の年」、つまり「永久に」という意味。私財は「私(わたくし)の財産」、つまり「個人の財産」となるでしょう。以上をまとめると、「田として切り開いたとちは永遠に個人の財産とする法」という意味になります。実は漢字さえわかれば、内容も簡単に理解できます。

これを「コンデンエイネンシザイホウ」と呪文のように唱えたり、むやみに何度も書いて覚えようとするのは得策ではありません。漢字の意味がわかれば内容も理解できます。このように、漢字で書かれているものは、その漢字の意味を理解すれば内容も同時に理解できるものはたくさんあります。

・覚えるときは言葉の意味を理解する!
・漢字の語は漢字の意味を考える!

丸暗記は1:1の記憶にしかならない

意味を考えて覚えろと言われても、めんどくさいという生徒もいます。また、現状は丸暗記で何とかなっているので、無理に意味など考えなくていいでしょ?という生徒もいます。確かに現状で覚えることができているなら、無理に意味を考える必要はないかもしれません。ただ、大事なことは丸暗記は1:1の記憶にしかならないということです。

1:1でしか覚えられない場合、応用が効かなくなります。数学である問題に対して、その解き方を暗記している人がいます。この場合、問題を少し変えただけで、全く別の問題だと認識してしまい、解けなくなる生徒が出てきます。本質的な意味を理解しないまま問題の解法だけ覚えてしまうと、長期的には意味のない勉強になってしまいます。

また、もう1:1で覚えてしまうと、そもそも覚えなければいけないことが大量に出てきてしまいます。全てを1:1で覚えるので、暗記量が膨大になる。そうなると全部は覚えられない。自分は記憶力がないと感じる。勉強できなくなる。こんな悪循環にも陥ってしまいます。1:1の記憶だと暗記量が多すぎるのも大きな問題です。

ではどうすればいいかというと、結局言葉の意味を理解することが大事になります。数学で言えば定義を理解し、数式の持つ意味を理解するのが大事です。実は意味を理解する方が覚えるのが簡単です。というより意味を理解した時点で覚えるという感覚はなくなっていて、自然に覚えてしまっている状態になります。そして結果的に覚える量が少なくなります。意味を理解することが覚えないといけないことそのものの量を減らすことにもつながります。

・意味を理解すれば覚える量が少なくなる!

暗記を避けるために

勉強=暗記と思っている人も多くいるかもしれないですが、暗記はできるだけ減らした方がよいです。ゼロにするのは無理ですが、意味を理解しようと努めれば、自然と覚える量も少なくなります。覚えようとしていないのに、頭の中に記憶しているものが増えていく。それなら、無理に1:1で暗記するよりも理解した方がいいですよね。結果的には、「暗記していないのに暗記できている」という状態を作ることができます。むやみやたらに丸暗記するのを避けることで勉強の効率もあげることができるので是非意味を理解するようにしてください。

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